2005-07-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の大災害(火災)

昭和27年に発刊された「東京災害史」(畑市次郎著)という貴書が手元にある。この書物をもとに江戸の「火災」について記してみたい。 火事と喧嘩は江戸の華という。東京災害史をひもとくと、本当に大火が多かったことに驚かされる。江戸時代を通じての大火…

大正八年スペイン風邪

昭和27年に発刊された「東京災害史」(畑市次郎著)という貴書が手元にある。この書物をもとに「伝染病」の流行について記してみたい。 まず、伝染病が災害なのかという疑問があるだろう。国の災害対策基本法では、災害を「暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、…

関東大震災

昭和27年に発刊された「東京災害史」(畑市次郎著)という貴書が手元にある。この書物からまもなく80周年を迎える関東大震災の猛火について記してみたい。 「筆舌に尽くしがたい」という言葉があるが、当時の新聞社にはかなり筆の立つ人がいたものと思わ…

関東開国以来未曾有の大水

昭和27年に発刊された「東京災害史」(畑市次郎著)という貴書が手元にある。この書物をもとに江戸開府400年に当たる今年、江戸時代の大水害について記してみたい。 寛保2年(西暦1742年)は八代将軍吉宗が行った享保の改革の総仕上げともいうべき公事…

東京主義と京都主義

東京大学の藤森教授が次の点を指摘している。(1)東京主義 明治時代に入って、東京では大火(1回100棟以上焼失)が年々増加し、明治14年(1882年)には約2万棟も焼失している。この14年間で東京の中心部はほとんど燃えたといってよいほどであ…