バイタルリスクとは

リスクを「恐ろしい」「恐ろしくない」に分けた場合、リスクの認知はどのようになるか。

米国における調査の結果では、恐ろしいリスクの上位5位は、?核兵器、?戦争、?神経ガス、?テロリズム、?一般犯罪であった。この中で施設にとって重大なリスクはテロリズムであろう。

こうした重大なリスク、致命傷になるリスクを「バイタルリスク」という。バイタルリスクは、普通、発生頻度が低い。国内でも最近はテロリズムが話題になってきている。もちろん、海外ではもっとテロが身近にあると言ってよいだろう。

しかし、いくらテロがバイタルリスクだといっても日本では一番ではない。日本のバイタルリスクの一番は、やはり大地震であろう。

バイタルリスクは、現実に損害が発生したときに、その影響が極めて大きいので、リスクの処理方法の適否が明確になる。

テロリズムであろうが地震であろうが、そのリスクを処理する手法は同じである。つまり、施設の耐震補強や地震防災計画などのコントロールと応急金融措置や保険などの復旧資金の調達方法の確立(ファイナンス)の双方が必要なのである。

どのようなバイタルリスクであれ、対策の基本は同じであることを忘れてはならない。