2007-12-18から1日間の記事一覧
◎生まれしも帰らぬものをわが宿に 小松のあるを見るが悲しさ 見し人の松の千年に見ましかば 遠く悲しき別れせましや「住之江に・・」という歌は、辛い毎日を送っていると、しばし忘れ草を摘んでこのことを忘れてしまいたい、でも、それは本心ではないのです…
なかりしもありつつ帰る人の子を ありしもなくて来るが悲しさ
◎住之江に船さし寄せよ忘れ草 しるしありやと摘みて行くべく
寄する波打ちも寄せなむわが恋ふる 人忘れ貝下りて拾わむ 忘れ貝拾ひしもせじ白珠を 恋ふるをだにも形見と思はむ
世の中に思ひやれども子を恋ふる 思ひにまさる思ひなきかな
都へと思ふをものの悲しきは 帰らぬ人のあればなりけり あるものと忘れつつなほ亡き人を いづらと問ふぞ悲しかりける
紀貫之が60代のときに、最後のご奉公(土佐国司)からの帰京道中を書いた日記風のフィクションが「土佐日記」です。彼は、京から連れて行った5才くらいの娘を土佐で亡くしました。 土佐日記は、この亡くなった娘への想いが小説全体に流れている点、そして…