電子無料雑誌はもう当たり前


■雑誌が変わる
2004年7月に「R25http://r25.jp/)」という無料情報誌リクルート社から創刊された。毎週木曜日、首都圏3000カ所の配布場所に約60万部が並ぶが、すぐになくなるほどの大人気だ。愛読されている方も多いと思う。こうした無料の雑誌を総称して「フリーペーパー」と呼ぶが、従来のフリーペーパーはクーポン付きタウン情報誌が主でR25のような総合情報誌はなかったといってよいだろう。こうした雑誌のフリーペーパー化の傾向は顕著で、かの坪内逍遙が明治24年に創刊した「早稲田文学」もフリーペーパー化した。そしてR25創刊から1年経った2005年の秋に、とうとう電子雑誌にも本格的なフリーペーパーが現れた。ソフトバンク・クリエイティブ社の「Manyo−万葉(http://www.man-yo.com/)」である。

■電子雑誌とは
従来も無料の電子フリーペーパーと呼べるものはあった。「メールマガジン」と「Webマガジン」である。メールマガジンはメールで配信されるものである。一方Webマガジンは、雑誌形式をとったホームページである。メールとホームページであるからもちろん無料である。
お金を出してよいならeBookというマンガ、コミック、週刊誌(週刊ポストなど)や各種書籍の電子ブックがあり、すでにひとつのジャンルになっているといってもよい。電子雑誌について最近ポータルサイト「マガジンSCRAP(http://www.ebookjapan.jp/shop/magazine_scrap.asp)」がスタートしたので、雑誌をチェックしてみるとよい。
しかし無料電子雑誌「Manyo−万葉」は、PC上で紙の雑誌のようにページをめくって読めるだけでなく、内容も本格的な雑誌で、かつ無料である。創刊号は全体で120ページもあり、雑誌を開くと多くのページでBGMが流れ、広告のページはテレビのコマーシャルのように動画であった。内容は、旅、食、ファッション、クルマ、人、映画・芸術など多くの人が興味をもつテーマを扱っている。実際に「本」のページをめくってみると、その感覚がスムーズなのに驚く。ManyoはFlipBook形式の電子ブックであり、FlipViewer(http://www.flipviewer.com/)を使って読む。FlipBook形式の最大の特徴は、「本」を読むのと同じ感覚と、画像、音声、動画などの組み合わせが体験できるところにある。ただし、パワーのないPCだとちょっとつらいかもしれない。
有料から無料へ、紙から電子へ、雑誌は変わっていく先駆けであった。

そして今、この無料電子雑誌はすでに当たり前のようになっている。ソフトバンククリエイティブでも、Manyoだけでなく、DUCAなど7種類に増えている。やれやれ!