77%を見過ごさない−企業の地震対策

地震の発生が確率的にランダムであるなら、昼間に起きる確率と夜に起きる確率は同じはずです。確かに、昭和以降のM6.0以上の地震の発生時刻を調べてみますと昼間に起きた地震は55%、夜に起きた地震は45%です。もっと長期間について調べてみれば50%に収束していくと思われます。

発生する確率がいつでも同じであるとすると、週40時間の労働時間の今日、勤務時間中に地震に遭遇する確率は、約23%です。あとの77%は通勤途上や在宅時ということになります。

企業の地震対策は、この23%の可能性(昼間起きること)にかけてきた感があります。事業所内の安全という観点からは、23%の可能性が企業としての責任の範囲かもしれません。そして社員がほとんど出社した後の地震対策の方が作りやすいという側面もあると思います。
しかし総合的に地震対策を検討する際には、77%の可能性を見過ごすのは大きなミスです。

まして、ここ10年ほどのM7以上の大地震を調べてみますと、これがすべて夜間又は未明に起きています。1993年の釧路沖地震北海道南西沖地震、1994年の北海道東方沖地震三陸はるか沖地震、1995年の兵庫県南部地震とサハリン北部地震、2004年新潟県中越地震(これは夕方)、そして今日の千島列島の地震(M8.1)のいずれもが夜間又は未明に起きています。

確かに大都市では、帰宅困難者の問題があって、昼間の想定も重要でしょうが、夜、大地震が起きたらどうするか。これが地震対策を検討するときの今日的な視点であると思います。

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