危機管理

FEMA

■ホームページの内容

IPAが情報セキュリティの横綱とすれば、米国・連邦緊急事態管理庁FEMA)は危機管理の横綱といってもよい。ここは純粋の行政機関であり、わが国にはFEMAに対応する役所はないといってもよい。日本語の危機管理という言葉の意味は曖昧だが、FEMAが対象とする危機(本当は緊急事態だが)には、地震、猛暑、火災、洪水、危険物、ハリケーン、地滑り、原子力事故、テロ、落雷、竜巻、津波、火山、吹雪などが含まれる。これらの危機に対して行政、企業、地域住民、子供達といった様々な階層向けに対策の普及と知識の啓発を行っているのが、「FEMA.gov」(http://www.fema.gov/)である。

■これはいい

 FEMAのホームページで一番いいのが「子供のためのFEMAFEMA for Kids)」である。これはいい。わが国の災害関係のホームページには、子供へのメンタルケアのことは書いてあっても、子供向けに作られたページは極めて少ない。「子供のためのFEMA」では子供に対して「災害時に活動するキッズ」になろうという呼びかけとそのためのツールがふんだんに掲載されている。また、ページの色遣いやアニメの多用など子供達に見てもらえるホームページを作ろうという熱意が感じられる。キャラクタとして「ジュリーとロビー」という双子を登場させて、紙芝居形式で様々な災害物語を綴っているのは見ているだけで楽しい。楽しみながら災害対策が学べるゲームも15種類以上あり、飽きさせない工夫がされている。また、企業などの実務者向けにもLibraryが予防、対応、復旧などのカテゴリに分類されていて、それぞれにわが国企業や団体にも役に立ちそうな資料がずらりと並んでいる。特に「ビジネスと産業のための危機管理ガイド」は危機管理計画の策定手順を示してある実務書として有用である。PDFファイルになっているのも見やすくてよい。

 ■インターネットサーチのヒント

「子供のためのFEMA」に災害啓発用ビデオがあるが、これを見るためにはReal Playerが必要だ。海外のサイトではビデオ・プレーヤとしてReal Playerをしているところが多い。今後講演会などのストリーミング配信が増えるとこの傾向に一層拍車がかかるだろう。Real Player8 Basicはhttp://www.real.com/player/index.htmlから無料でダウンロードできるので、是非インストールしておきたい。