30歳のリアル

 長男が生まれたのが、ちょうど29歳のとき、長女が生まれたのが31歳だった。30代に突入したときに家族が突然2人増え、家を買うことを考え始めたのだと思う。それまでたいした貯金もしていなかったので、会社で積み立て貯金をはじめた。「家族」と「家」という古くから家長が担うべき重荷をリアルに感じ始めた歳だった。それが30歳という年輪。
 どこに家を建てよう、買おうというよりも、家族が安心して、気兼ねなく住むことができる家造りがしたかった。その頃、仕事の関係で大阪から東京に転勤になったことも、どこに家を建てるかという重大問題をたいしたことでないようにした理由のひとつだったと思う。どこでも家族が幸せに住めればいい、これが30歳の私の現実(リアル)だった。今思えば、もっと住むところにこだわりを持てばよかったと思うが、当時はそんなことちっとも考えなかった。家というものに対して実にまっすぐで一途な思いを抱いていたことが分かる。
 50歳を過ぎた今なら、もっといろいろな要素を考えて、家を選択するだろう。30歳は若かった。

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